2009年11月06日

(金)本当は36人のボーイズラブ?

これはタブーなんだけど……。

明日、11月7日は、日本三大仇討ちの一つ、鍵屋の辻の決闘があった日。1630年寛永7年のこと。

日本人なら、剣豪「荒木又右衛門の36人斬り」を知らない人はいないくらいに有名!でも、ほとんどの人が36人もの人間を斬れるはずがない。36人とは誇張された数字であることも知っている。その36人はちょっと置いとくにしても、本当の仇討ちの理由を知らない人も多いのではと思う。そこには映画やドラマでは決して取り上げない、取り上げられない理由があった。

岡山藩主、池田忠雄(ただかつ)の小姓、渡辺源太夫は超イケメンで、忠雄の寵童。つまり、ボーイズラブの相手。その源太夫に横恋慕して関係を迫ったのが、藩士、河合又五郎。それを源太夫に拒絶されると、逆上した又五郎は源太夫を殺害。又五郎は脱藩して、江戸へ逐電。旗本、安藤次右衛門正珍に匿われる。

激怒した忠雄は、幕府に又五郎の引き渡しを要求する。そりゃ、怒るわ。かわいい寵童を殺された上に、いつも威張り返っている旗本がその憎っくき犯人を匿うのだから。その安藤は、旗本仲間と結集して、これを拒否。かくして、外様大名と直参旗本のメンツをかけた争いとなる。

それなのに1632年寛永9年、忠雄は死去する。余程悔しかったのだろう、死に際して又五郎を討つように遺言して亡くなる。息子の光仲が家督を継いだとき、池田家は因幡国鳥取へ国替えとなり、又五郎は江戸所払いとなった。幕府はケンカ両成敗として、事件の幕引きを決定するつもりでいた。

しかし、源太夫の兄、数馬は仇討ちをせざるを得ない状況に追い込まれていた。戦国時代より、仇討ちの習いとして、兄が弟、父祖が子孫、主君が配下の仇を討つことは異例中の異例のことだけど、主君の遺言とあれば、数馬は弟の仇討ちをしなければならなかった。数馬は国替えに従わず、仇討ちのため脱藩する。

しかし、天下太平の世、剣に頼らずとも生きていけた。数馬は剣の道はさっぱりだった。だが、数馬には強い味方がいた。姉婿の荒木又右衛門は郡山藩の剣術指南役。その又右衛門に助太刀を依頼。又右衛門は快諾。又右衛門と数馬は又五郎の行方探しに奔走する。1634年寛永11年11月、又五郎が奈良の旧郡山藩士の屋敷に潜伏していることを突き止める。

一方の又五郎は危険を察知し、江戸へ逃れようとする。又右衛門と数馬は、又五郎が伊賀路通りから江戸に向かうことを知り、道中の鍵屋の辻で待ち伏せることにした。

又五郎は叔父の元郡山藩剣術指南役、河合甚左衛門と、妹婿の槍名人、桜井半兵衛等、総勢11人に護衛されていた。一方の数馬には又右衛門とその門弟の岩本孫右衛門、河合武右衛門の4人。

11月7日の早朝、鍵屋の辻に差し掛かった又五郎一行に斬りこみ、決闘開始!孫右衛門と武右衛門が馬上の半兵衛と槍持ちに斬り付け、半兵衛に槍が渡らないようにする。又右衛門は馬上の甚左衛門の足を切り、落馬したところを斬り伏せる。ついで、又右衛門は孫右衛門と武右衛門が相手をしている半兵衛を打ち倒す。このとき、武右衛門は命を落としている。又五郎側は頼みの二人が殺られて、戦意喪失して逃げだす。

又五郎も逃げようとするが、又右衛門たちに取り囲まれる。ついに殺られてしまう、ではなく、又五郎を倒すのは数馬の役目。この二人、本当は主役なのに、剣術はからっきしダメ。延々と5時間も斬り合うことに……。やっと数馬が又五郎に傷を負わせたので、又右衛門が止めを差す。なので、又右衛門が斬ったのは二人……。

決闘地の領主、津藩藤堂家は又五郎一行の情報を提供し、決闘が始まると周囲を封鎖。又五郎の逃走を阻止し、数馬らを支援していた。支援の理由は、この事件を外様大名と直参旗本の争いとみなしていたから。

見事、本懐を遂げた数馬たちは世間の耳目を集め、特に又右衛門には賞賛の嵐が吹き荒れ、いつしか2人が36人斬りになってしまった。3人は伊賀上野の藤堂家に4年間預けられ、又右衛門を鳥取藩、郡山藩、いずれの藩が引き取るかで紛糾する。やがて3人は鳥取藩に引き取られることになった。

1638年寛永15年8月13日、3人は鳥取に到着。だが、その17日後に鳥取藩は又右衛門の死去を公表した。突然のことに、毒殺説もささやかれたけど、生存隠匿説が有力。鳥取藩に着いた又右衛門たちは妻子を呼び寄せるが、妻子が到着した時には死亡したことになっていた。実際に、又右衛門が亡くなったのは、1643年寛永20年9月24日。生存を隠匿したのには、河合党の暗殺を恐れたためとされている。

日本刀は、斬るより突く方が優れている武器。大昔の東映映画や、ふと立ち止まっては高笑いするテレビドラマのように、バッタバッタと斬り殺せるものではない。では、突けば何人でも殺れるかと言えば、これがそうでもない。突いたはいいけど、今度は刀を抜くのが、さあ、大変。これが中々抜けるものではない。人の体は刀の都合のいいようには出来てない。これでは相当の怪力の持ち主でなければ、日本刀で相手を何人も倒すことは出来ない。また、以下に剣の達人とは言え、2対1となれば相当分が悪い。さらに大勢に取り囲まれればまず命はない。

ちなみに斬られたことにより死ぬのではなく、斬られれば出血する。その多量出血により、絶命する。つまり、失血死。

現代は刀など持ち歩かないけど、小さくても殺傷能力の高い刃物はたくさん売られている……。


明日は何の日・11月7日
かわいい知恵の日
かわいい鍋の日
かわいい釧路ししゃもの日
かわいいウェルカムウインターデー(あられ・おせんべいの日)

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posted by 松本萌花 at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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