明日、7月7日は、七夕。
私たちが良く知っている、七夕のお話は中国から伝わってきたもので、機織の上手な娘が一心に機を織っているのを見て、父親が真面目な牛飼い青年を引き合わせた。二人はたちまち恋に落ち、結婚。ところが、娘は機織を忘れ、青年は牛をホッポリ出して、いちゃついてばかりいるものだから、怒った父親は二人を天の川を挟んで引き離した。それでもかわいそうに思ったのか、年に一度だけ合うことを許した。
なんて短気な父親なんでしょう。新婚の一時も離れたくない甘〜い蜜月なんて、だいたい3ヶ月くらいで終わる。この父親は例え1日でも機織を休むことが許せなかった、仕事人間!それにしても、年に一度は、あまりにもかわいそうすぎる。なのに、ロマンチックなお話と伝わっているのはどうしてだろう。また、織姫と彦星が恋人同士と思っている人もいるけど、二人は夫婦。その夫婦が年に一度しか会えないかわいそうな日なのに、七夕入籍とかする人もいる……。
でも、日本版七夕伝説は、ある意味、すごい……。
天稚彦(あめわかひこ)は古事記では、天津国玉神(あまつくにたまのかみ)の息子、天若日子となっている。その天若日子のお話「天稚彦草子」
昔、3人の美しい娘を持つ長者がいました。そこの下女が湖で洗濯をしていると、口に手紙をくわえた大蛇が「言うとおりにしないと絞め殺すぞ」脅し、下女は大慌てで大蛇からの手紙を持ち帰り長者に見せました。手紙には「娘を三人ともよこせ、さもないと皆殺しにするぞ」と書いてあり、姉娘二人は「そんなの絶対、イヤ!」でも、末娘は「私が参ります」
末娘が湖のほとりで待っていると、雷鳴がとどろき、大波の中から大蛇出現。すぐにも食われるかと思ったけど、大蛇が「刀を持っていたら、頭を切ってくれ」と言うので、娘は震える手で、言われるままにしました。すると、どうでしょう、中から現れたのは、超イケメンではないの!
「私は、海竜王の息子、天稚彦」と名のり、二人はたちまち恋に落ち、仲良く暮らすことに。天稚彦は海竜王の息子で、宝物をいっぱい持っていたので、楽しい毎日が続きました。
そんなある日「天に用があり、帰らなければならない。でも、絶対戻ってくるから、待っていてくれ。もし、21日待っても戻ってこない時は、西の京の外れに行くと、一夜瓢(いちやひさご、一夜で天まで伸びる瓜。夕顔らしい)を持っている女がいる。それを買って、天まで昇って来てほしい。それと、唐びつを置いていくけど、絶対、中は開けないように」と言って、天に帰ってしまいました。
天稚彦を信じている娘(もう娘ではないけど)は、宝物がたくさんあるので暮らしには困らないし、夫の言葉を信じ、ひたすら夫の帰りを待っていました。そこにやってきた姉娘たち。あんなに嫌がったくせに、宝物やきれいな着物に囲まれている妹がしゃくにさわって仕方がないのでした。そして、鍵を取り上げ強引に唐びつを開けてしまいました。でも、中からは白い煙が出てきただけで、何も入ってなかったので、二人ともガッカリして帰って行きました。
ところが約束の21日がすぎても天稚彦は帰ってきません。娘は教えられたとおり、西ノ京に行き、一夜瓢を買い、それで天に昇りました。ところが天上界も広いのです。白い狩り着の夕づつ=宵の明星や、箒木(ほうき)を持った童子・ははき星=彗星、七人の童子すばる=昴に聞いても、天稚彦のことは知らないと言います。やっと、玉の輿にのった明月(あかつき)の明星に居場所を聞くことが出来ました。
二人は再会して、と思ったのも束の間、天稚彦の父親の鬼がやってきました。(海龍王の息子じゃなかったの)
あわてて娘を脇息(ひじかけ)や枕に変えて隠していたけど、ある時見つかってしまいました。(自分の妻をどうして隠すの)鬼の父親は、娘が息子の嫁にふさわしいかテストをすると言いました。
まず、牛舎の1000頭の牛を朝は放ち、夕べには牛舎に追い込む。そんなカウボーイのようなことが娘に出来るはずはありません。天稚彦は自分の袖を与え、これを振るようにと言いました。袖を振ると牛は大人しく牛舎に入りました。次は米倉の大量の米を別の倉に移すこと。これも袖を振ると大量のアリが米を運んでくれました。また、蛇やムカデのいる部屋で一晩過ごしたときも、袖があったので大丈夫でした。
そこで、鬼の父親は言いました「では、二人が会うのはひと月に一度としてやろう」それを娘は「ええっ!一年に一度だなんて……」と聞き間違えてしまいました。それを聞いた父親はこれ幸いと一つの瓜を手に取って投げました。瓜は割れて大量の水が天の川となりました……。
かくして、牽牛星と織女星は、一年に一度だけ会えることになりました。
牽牛星が彦星とは天稚彦の彦だったと言うことはわかったけど、娘は一度も機を織ってないし、名前もない。
いつも末っ子は良い役。犠牲になっても報われ、シンデレラのような意地の悪い姉。また、自分の愛する妻を父親に紹介しない天稚彦。さらに、一月と一年を聞き間違えてしまうほど、耳掃除もしない娘。また、それをフォローしない天稚彦。そして、こちらもなんとひどい父親。花嫁の父が婿にイチャモンつけるのはわかるにしても、美人の嫁にも冷たいなんて……。
どこかで聞いたようなお話の寄せ集めみたいな物語だけど、15世紀半ばに創られた、ベルリン東洋美術博物館には絵巻物も残っている、由緒正しい昔話です。
それにしても、今年の七夕はちょっと「困った」ことになってます。現在の七夕は、新暦の7月7日。これは去年も書いたけど、国立天文台のホームページによると、七夕の日にちは、毎年違ってるんです。
2009年 8月26日(水)
2010年 8月16日(月)
2011年 8月 6日(土)
2012年 8月24日(金)
今年はなんと!8月26日。忘れてしまいそう……。別に忘れてもよさそうなものだけど、私は七夕は年に2回やることにしてます。通常の7月7日と、国立天文台のホームページに倣って。七夕をやると言っても、その日は五色そうめん(トッピングが五色)を食べるくらいなんだから、8月の終わりのそうめんも行く夏を惜しみながら食べればいいだけのこと。
でも、これは私の都合でしかないけど、通販で買った毎月の月飾りをアナログテレビの上に飾っている。7月は当然、七夕。小さい(本当に小さい)織姫と彦星の人形を飾る。飾り見本の写真は、天の川(白い石状の粒)をはさんで向かい合うのだけど、私は並んで天の川を眺めるように設定しなおしてます。それを去年は二度目の七夕が8月7日だったので、その日まで飾っておいて、翌日からは8月の朝顔を飾りました。でも今年は8月26日なので、その日まで七夕を飾っておくと、朝顔の出番がちょっとなってしまう。すぐに9月のお月見飾りもやってくるので、それでは朝顔もかわいそう……。
なので、多分、今年(今年だけでないかも)は七夕と朝顔を同居させることになるでしょう。さらにさらに、七夕を月遅れでやる地方もあります。つまり、8月7日に。そう!何はともあれ、織姫と彦星の会える日を増やしてあげましょう。なので、今年から、七夕は年に3回やることにしました!
尚、日付けはその都度、前日にお知らせしますので、そうめんと五色のトッピングを用意してお待ちください。
七夕は年に三回やりましょう!
2008年7月6日「(日)そ、そんな、七夕が7月7日でないなんて……」
明日は何の日・7月7日
こちらへもどうぞ
花 ゆ れ
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ひびわれ鏡
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天の川心中(戯曲)
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